ハワイの景色と日本の和歌の代表格「百人一首」、何首リンクできるか挑戦中。
百人一首をモチーフにした美味しいお煎餅を販売していらっしゃる小倉山荘さん。
食べて美味しい、見て読んで楽しいティータイム!
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ホノルル空港
10.これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも逢坂の関 <蝉丸>

これがそうか、行く人、帰る人、知っている人も、見知らぬ人も、ここで逢ってここで別れるという逢坂の関なんだなぁ
「逢坂の関」を「ホノルル空港」に置き換えると、ハワイが好きな方はジンとくるのではないでしょうか。
初めてハワイを訪れた時の感動を覚えていますよね。
ここがハワイか!ここがホノルル空港か!!と。
ホノルル空港に限らず、空港という場所は出会いや再会があり、別れがある場所。
たくさんの人がそれぞれの思いを胸に訪れる場所。
飛行機など夢のまた夢で自分の足で歩いて旅をしていた頃は、通行手形というパスポートを持って、関所というエアポートに旅のロマンを映していたのでしょうね。
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ノースショア
48.風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ 砕けてものを 思ふころかな <源 重之>

風が強いので、何度も岩にぶつかって砕ける波が自分のことのようだなあ。
なかなか思う人に届かない恋心。
ハワイで砕ける波、といえば冬にビッグウェーブがやってくるノースショア。
アリューシャン列島で生まれた波がやってきます。
太平洋を北から旅してきた波が初めて陸地にぶつかるのがハワイです。
今頃いい波、きてるんだろうなぁ。
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アロハオエ
55.瀧の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞えけれ <大納言公任>

瀧の音は聞こえなくなって長い年月が経ってしまったけれど、その名声は今も聞こえてくるよ
この歌の作者は三船の才を持つと言われた人。
三船の才、マルチな才能のことをいいます。
マルチな才能をお持ちの方といえば、リリウオカラニ女王ですね。
リリウオカラニ女王は作詞、作曲、英語も堪能でした。
女王の残された美しい音楽は今も愛されています。
その中でも一番有名なのは「Aloha Oe」ですね。
「Aloha Oe」はハワイ王国亡国の悲しみを歌ったもの、または女王の妹・リケリケ王女の切ない恋の歌と言われています。
別れの歌。
でも最後は Until we meet again と女王は締めくくりました。
また会う日まで。
私は再会を約束した歌、Onipaa!(諦めない!)を信条とした女王のメッセージだと思っています。
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カエナポイントの「沖の石」
92. わが袖は潮干に見えぬ 沖の石の 人こそ知らね 乾く間もなし <二条院讃岐>

私の衣の袖は引き潮のときにも姿を現さない沖の石のように、恋の涙で乾く間もありません
この歌から思い浮かんだのはオアフ島のカエナポイントの景色でした。
日本からホノルル行きの飛行機で、カウアイ島を過ぎて、一番に見えてくるオアフ島の姿がカエナポイントです。
海へ向かって細く伸びる島の様子は特徴的なのでご記憶の方もいらっしゃると思います。
カエナポイントの神話。
半神マウイが島々を引き寄せて大陸を作ろうとしていた時のこと。
魔法の釣り針でカウアイ島を引っ張ると、針が引っかかっていた部分だけがカエナ岬まで飛んできたとか。
その飛んできた岩はポハク・オ・カウアイ(カウアイの岩)と呼ばれているそうです。
カエナ岬の「沖の石」、ポハク・オ・カウアイ。
カエナポイントは魂があの世へ飛び立つ場所とも言われています。
この92番歌で袖を濡らした涙は恋の涙ですが、カエナポイントで流された涙はこの世との別れの涙なのかもしれませんね。