これは私が今日までに勉強してきたことから導いた物語です。
今後、もっと勉強して別の史実を発見したり考えが変わったりすることは十分考えられます。
ただ何度書き直そうと、カメハメハ大王への思いは変わることがありません。
大王への尊敬と愛を込めて。
ハワイへの溢れる愛を込めて。
私のipoに捧げます。
mari

17世紀のハワイ島の王女

17世紀というと日本は江戸時代。家康が天下を治め、長い徳川家の世の始まりの頃。
同じ頃、遠く離れた太平洋の彼方、ハワイ島で生まれたある高貴な王女がいました。
彼女はその高貴な血筋からたくさんの男性王族に結婚を望まれました。
古のハワイの王族にはランク(階級)がありました。
ランクは生まれで決まります。自分のランクを上げることはできなかったようですが、結婚によって子供は自分より高いランクになることは可能だったようです。
ハワイ島の王女は何人かの王族との間にそれぞれ子供をもうけました。

今日お話するのはそのハワイ島の王女からつながる孫たちのストーリーです。

・カヘキリ2世
マウイの王。カヘキリとは雷の意。

・ケオウア
ハワイ島の王子。

・ケクイアポイワ2世
ハワイ島生まれの王族。ケオウアの妻となる。

カヘキリ2世、ケオウア、ケクイアポイワ2世。
この三人がカメハメハ大王の出生に大きく関わっています。

カメハメハ大王が生まれたのはいつか、そして大王の父は誰なのか

カメハメハ大王の生年についてはいくつか説がありますが、私は1758年頃ではないかと思っています。
大王の誕生前後にハレー彗星の出現があったこと(1758年)、親の年齢からもこの年前後が妥当であることがその理由です。
また1778年にキャプテンクックがクック諸島(のちのハワイ諸島)を発見した時のカメハメハ青年は20歳前後であったこともこれを裏付ける理由と言えます。
1736年頃が大王の誕生年とする説もありますが、これはカネカポレイとの子供・パウリが関係してると思われます。パウリはカラニオプウという大王の叔父の子供である可能性も否定できないので、私は大王の誕生は1758年と考えています。

カメハメハ大王の母はケクイアポイワ2世。
彼女はケオウアの妻でした。しかしマウイに行って(カヘキリ2世の屋敷に滞在していて)お腹が大きくなってケオウアの元に帰ってきたという話もあります。

カメハメハ大王の父は
ハワイ島の王子・ケオウアか、マウイのプリンス・カヘキリ2世か。
ケオウアもカヘキリ2世もどちらもカメハメハを実子と認めています。

ではカメハメハの王族ランクから父を検証してみましょう。
カメハメハはwohiというランクです。
wohiは親がいとこ同士、そしてどちらかの親がwohiより高いランクである必要があります。

まずは母であるケクイアポイワ2世。
彼女の両親は同じ母を持つ異父兄妹(姉弟)。
彼女はとてもランクが高い組み合わせの父母の子供として生まれています。
ケクイアポイワはwohiよりハイランクです。

次にケオウア。
ケオウアの父はとてもランクの高い王族でしたがケウオアはそうではありません。
ランクの高低は血の神聖さで決まります。
聖婚がハイランクの子供を生むのです。
神聖であることは血が濃いことを意味します。
古のハワイでも血の「神聖さ」と「危険」は紙一重であることを知っていたようで、ハイランクのケオウアの父はそれ以上の神聖さを放棄したように思われます。

そしてカヘキリ2世。
マウイの王家の血をひくプリンスはやはりハイランク。
ナハというwohiよりも神聖とされた王族です。

ケクイアポイワ2世、ケオウア、カヘキリ2世は三人とも「17世紀のハワイ島の王女」の直系子孫。孫にあたります。
ケクイアポイワ2世とケオウアはいとこ。
ケクイアポイワ2世とカヘキリ2世もいとこ。

カメハメハの王族ランクwohiの条件、どちらかの親がwohi以上であることは母がその条件を満たしているので父はどんなランクであっても構いません。
そして両親がいとこ同士であること。
困ったことにケオウアもカヘキリ2世もケクイアポイワ2世のいとこ。

カメハメハの王族ランクからはどちらが父なのか判断が付きません。

私の個人的な感想ではケオウアがカメハメハの実父ではないかと思っています。
母のケクイアポイワ2世はあまり奔放な女性という印象がありません。
カヘキリ2世には他の女性との間に王子がいましたが、カメハメハを見て我が子であってほしいと願ったのかもしれません。
カメハメハはすべてにおいて群を抜いており、カヘキリ2世も後継者にカメハメハをと望んでいたとも考えられます。

カメハメハは諸国の王(当時はハワイの島ごとに王がいました)からその誕生を恐れられ、カヘキリ2世は誕生後すぐに殺害するようにとの命を出したとも言われています。
各島の王を倒し、島々を統一すると誕生前にカフナが予言していたからです。

なぜ大王となったのか

カメハメハがハワイ諸島(カウアイ島を除く)を統一して大王となったのは彼が40歳近くになってからのこと。

アラパイ王の死後、カラニオプウがマウイ島を手中におさめようとしますが、カヘキリ2世には歯が立たず失敗。
カラニオプウは甥のカメハメハの才覚を十分承知していながら我が子を世継ぎとしました。

この時から、いえ、カメハメハは子供の頃からずっと自分の身分に苦しんできたのではないでしょうか。
出自、ランク。
父は誰なのか、なぜ誰にも負けない実力を持ちながら王となれないのか。

ならば自分の手で掴みとるしかない。
ハワイ島だけでなく、ハワイ諸島全てをこの手に。
カメハメハ少年がそう心に誓っていたからこそ成し遂げられた偉業。

カメハメハのハワイ諸島統一には西洋武器(大砲や銃)が大きな役割を果たしました。
でもこれを手にしていたのはカメハメハだけではないのです。
これらを使いこなし、戦う武器とすることができたのがカメハメハだけであったということなのです。

武力は外交手腕を以って手に入れ、生まれ持っての武運と天命が彼を後押しし、成し遂げた下克上。

そういう星の下に生まれた人、カメハメハ。
カ・メハメハ。
孤独なひとという名前を持った大王。
大いなる孤独を抱えた人生を歩いた人。

今年、2020年はコロナの影響でキングカメハメハデーのイベントはありませんが、年に一度、大王像がたくさんのレイで飾られる姿はとても見応えがあり、大王の偉業を称えるにふさわしいもののひとつ。
来年はその姿が見られることを願ってやみません。

最後に私が最近ずっと聴いている曲をお届けします。
About You
とってもハワイ〜♪な気分になれる曲です。